Mixture



それは良く晴れた朝の出来事・・・・・・
バーツはいつもの畑で今朝取れた農作物を見つめ溜め息を付いていた。



おかしい・・・・こんなはずでは・・・・・・・と。

そこに通りかかったハルモニア神官将の腹心が一人。


「これはバーツ殿いかがなされたのですか?溜め息を吐かれて・・?」
ディオスは畑に座り込んで元気のないバーツに後ろから声を掛けた。

畑にいるのにこの方が元気がないのは珍しいことだったのだから・・・・

自分に振り返った彼は情けない声を上げた。
「あぁ…見てくれよ、これ!俺の自慢のトマトが真四角な形なんだぜ!?
これなんてまっ黄色な上に変な斑点付きのイモだしさ!(泣)」

「アヒョーイ!!(←叫び声)な、なんですかその野菜は!?た、食べれるのですか!?」
バーツの手の中にある野菜を見ると思わず顔が引きつってしまう。

今までにみたこともない異様な・・・・これは・・・野菜と言えるのだろうか・・・・
四角いトマト、黄色い斑点付きの怪しすぎるイモ・・・・


絶対食べたくない・・・・・・・・。



「食えるさ!俺の愛情たっぷり入った野菜だぜ!?」
自分の心を読まれたのかバーツが不機嫌そうに言う。


食べれると申されても・・・・・・・・・・


「し、しかし・・・これでは・・・と、とにかく・・これはササライ様にお知らせ、せねば!!」

そうです、いつもササライ様はおしゃっているではないですか!
何かあれば自分に知らせろと・・・・



「ササライ様・・・今・・・電波を・・・!!!!!!!!!!」
ディオスは空を見上げ両手を上に上げ瞳を閉じた。





ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!





ディオスの気が高まってゆく・・・・・

そんな彼の行動を見ていたバーツにもぴりぴりと小さな電気が伝わってきて・・・

「…あんた、電波系だったんだな…」
ポツリと呟くバーツ君。









其のころササライはというと・・・・





優雅に紅茶に舌鼓を打ちつつ本を堪能しているところだった。

ピリピリと頭に入ってくる刺激に顔を一瞬顰めて


『何やら電波が…ディオス、どうした?』

くだらないことだったらただじゃ、すまさないよ・・・
ササライはこめかみを押さえて問い掛けてみる。





電波開通v






『むん!?繋がった!!ササライ様〜〜!!野菜が野菜がぁ!!』
空を見上げ必死に電波を送るディオス。

「訳わからん…とりあえず、これ収穫しとくか…」
バーツはそんなディオスを無視してもそもそと作業に戻って・・・・

しかし・・・・・俺の自慢の野菜が何でこんなことが・・・・・・・はぁ・・・・
まさかこいつらが日ごろ電波飛ばしあってるから・・・影響が・・・ってことは・・
ないよなぁ・・・・・・

もう一度ディオスを見上げてみる。
相変わらず空に手を掲げていて・・・・・

どういう仕組みで電波で連絡取り合っているんだか・・・・・
ハルモニアってのは謎だぜ・・・・・
皆こんなのなのか・・・・・・・・・・・





『ササライ様〜〜〜〜!!!野菜がぁ!!!!』
必死に電波を飛ばし続けるディオス。

『野菜…野菜がどうしたというんだ!?電波が弱いぞ!』
こめかみに手を当てて必死に電波を読み取ろうとするのだが今日に限って腹心からの
電波が弱い・・・

空は晴れていて電波日和なんだけどね・・・・

ちっ・・・・・・・

電波を良くしようと窓のそばに寄ってみるがやはりディオスからの電波が遠い・・・
城の中では・・・圏外のはずではないのだが・・・・

誰かが・・・邪魔しているのか・・・
いや・・・そんなはずは・・・・・・・・・


ピーガーガーガーガーガー・・・・・・・

ガー

ガー・・・・





「むん・・調子が悪いようです・・意思の疎通が・・ササライ様・・」
こんなことは珍しいですね・・・・・・・
困りました・・・・完全に電波が途絶えてしまいました・・・・

空に翳していた手を力なく下げるとディオスは溜め息を吐て・・・

しかたありません・・・電波はメンテナンスするとして・・今は・・・

バーツが見せてくれた野菜に目をやる。

そうです!この野菜を!!!

「バーツ殿!!それを持ってササライ様のお部屋に参りましょう!!」
ディオスは長鼻を鳴らし作業をしているバーツの腕を掴む。

「はぁ!?…まあ、いいけどよ」
電波ってこえーなー・・・・・・・・

目の前のディオスの顔も怖いのだが・・・・・・

「では参りますよ〜〜〜〜!!」
バーツの返事を聞くとディオスは彼を肩に担ぎ走り出す。

「お、おい!!!」
何も担がんでも…と思いつつ、異様な作物はしっかり持って担がれてゆく・・・



ははは・・・・ハルモニアは色んな意味で・・・こえーーー・・・・・。







目指すはササライ様のお部屋________




城の中のササライの部屋を目指しディオスは走り続けて・・・・・


途中六騎士たちが異様な顔をして自分を見ていたようだがそなんなことは関係ない。





今はこれを!!!












長い廊下を走り向け目的の扉が見えてきて・・・


ササライ様〜〜〜〜〜〜〜!!




ササライの部屋につきノックもなしにバーツを肩に抱えたまま扉を開けた。



「ササライ様!!!!!大変で御座います!!!!!」
はぁはぁと肩で息をして扉の前に佇むディオス。

「ディオス、ノックぐらいするもんだろう?減給にするよ」
椅子に座った彼がにっこりと笑い紅茶を啜っていて
その行動はとても優雅で・・・・
だが・・・ディオスには其の微笑みは自分の顔が引きつる元なのだ。

頭にめぐるはあの二文字。


「げ・・げ、減給・・・・・・・・・」

この前も確か 殿を捕獲しそこね失敗して・・・・・
減給・・・減給・・・ああ・・・・
息子に仕送りが・・・・・・・

そりゃね・・・ 殿や 殿が可愛いから手を出そうと思った事も
ありましたけどね・・・・その度に減給減給って・・・・・・
ササライ様・・・・・・・・・・・・!!!!
でも私はそんな貴方が大好きですよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!



って・・・私は・・・・・えーっと・・・何をしに・・・・・・


「はっ!ササライ様〜〜〜!!!こ、これを!!先ほどの電波のことです!!」
慌ててササライの方に駆け寄り肩に担いだバーツのお尻を彼に向けた。


その行動は間違いで・・・・彼はパーツのもっていた野菜を向けたつもりでいたのだが・・・・
ササライの顔がやはり物凄い不機嫌になって・・・・

「……ディオス減給決定だね。バーツの尻がどうしたって?」

「お、おい!!」
バーツは今の状況が情けなく暴れてしまう

「アヒョーイ!!アヒョーイ!!ち、ち、ち、違いますですよーーー!!バーツ殿!!それをっ!!」

慌てて涙目になりながらバーツを絨毯に下ろすと
説明をお願いします!と振り。

バーツは肩を竦めつつ

「へいへいっと。これ、俺の畑で出来た野菜なんだけどさ、妙なのできちまって…。
そしたら、あんたの部下が…」

横目でディオスを見る。
そこには苦笑いがあって・・・・

「なるほどね……これは実に興味深い。毒っぽいし。…ディオス、食べてみないかい?」
特上の微笑を上司から向けられてディオスは顔を引きつらせた。

この方のこの微笑みは怖い!!

「・・・・・い、いえ私は・・」

毒味は嫌ですササライ様!!
毒味だけは・・・・!!!!!!

とにかくこの状況を抜け出さねば!!
断ってもきっと食べさせられるのですから!!
なんとか・・・・・・・・・・・・







・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





あ!








「そ、そういえば〜〜ナッシュ殿がこう言うのを好きだと〜・・・」

たまに、こそこそササライ様とナッシュ殿なにやら話しこんでましたからね・・・
仲がお宜しいのでしょう!(ジェラシー)

彼ならば・・・・・・・・・・これぐらい慣れていそうですし!




うん!


目を泳がしつつササライに振ってみたものの・・・
なんだか不安になる。






「ナッシュが?…ふぅむ…」
ササライは少し考えて軽く頷き言葉を発して・・・・


「…よし、呼んで来てくれないか?」



ぱぁぁぁぁぁぁぁvvvv





其の時ディオスの道は明るく開かれた・・・・・。

「は、は、は、はい!只今〜〜〜〜〜〜〜!!」

嬉しそうに扉に走りナッシュ探しに行って。




廊下を走る足音が軽いのは気のせいだろうか・・・・・・?

















その後姿を見送ってバーツがポツリと
「……それにしても、あんたの部下そんなに減給激しいのか?」

「並には払ってるつもりだよ」
にこりと微笑みが返って来てバーツは頭を掻いたとか・・・・・





















「ササライ様!!連れて参りました!!」


はやっ!!


バーツはそう思うとササライとともに扉の方を見る。

息を切らせてナッシュの手を握りディオスは顔を引きつらせた彼とその後に続いて来た
をササライに見えるようにした。



ナッシュ殿がたまたますぐそこの廊下でこのお嬢さんたちと話しこんでいて
助かりましたですよv
まぁ・・・両手に華のナッシュ殿には戦慄を覚えましたが・・・ふふふ・・・・
これから起こる事を思えば・・・・・

しかし・・・ 殿、 殿の「ついて行く♪」には流石に戸惑いましたが・・
しかたありませよね・・・・・・・・





「……ありがとう…ディオス」
少し戸惑ったササライの声


ナッシュ・・・なんで君・・・両手に華なのさ・・・・・・
まったく・・・・

ディオスもつれてきたのは良いけど・・・・ がいるのは予定外だな・・・・
まぁ・・・仕方がないか・・・・


ササライはナッシュ達を手招きすると部屋の真ん中に集める。

「さて、ここに怪しい野菜がある。これを、食べるのを手伝ってもらいたいなと思って
君らを呼んだんだけどね」


テーブルに置かれたバーツの野菜。

真四角のトマト、黒いニンジン、斑点つきのピーマンに芋・・・etc,etc.......
そして満面の笑みのササライの顔。

皆、不気味な野菜を不思議そうに覗いて・・・・・




ナッシュは野菜から目を外し顔を上げるとササライと瞳がぶつかった。

おいおい・・勘弁してくれ〜・・ササライ様・・ものすっごい・・ブラックな笑顔じゃないか・・
微笑を称えているササライを見、ついつい顔が引きつってしまう。


こういう時は必ず俺に不幸が訪れ・・・・・・・


そう考えていると横にいた人物が声を上げた。

「わー、凄い面白い野菜…でも食べるのはゴメンだよね、ナッシュ」
に同意を求められて少し安心したのだがやはり不安は消えない。


「ははは・・そうだよなぁ・・」
肩を落とし を見て
拒否しても無駄だろうなぁ・・食べさせられるんだろう・・・きっと・・・
はぁ・・・・ は何とか守ってやらないと・・ははは・・
ササライは肩を落としたナッシュから視線を外すとその反対の横に立っている
声を掛ける。


「… は、どうかな…。一緒に食事したいんだけど、やっぱり…抵抗あるかい?」
それはそれは凄い寂しそうな顔をして。

彼女には安全が分かるまで食べさせるつもりはないんだけど・・・・
ここに来た以上一緒にいたいからね・・・・・
帰られては寂しいし・・・・


ササライの寂しげな顔に反応したのか は慌てて・・・

はう!ササライさんが悲しそうです!!
私嫌な顔でもしていたのでしょうか・・・・申し訳ないです・・・・
そんなつもりは・・・・・!



「い、い、いえ!!そんなことはありませんですよ!!是非一緒にお食事を、です!」
手をばたつかせ必死に違いますアピールをして


そんなことをしているとササライの手が自分の身体に回ってきて彼に抱きつかれてしまった。

「ありがとう !!という事で、ナッシュも もいいね?」
を胸に抱きつつ満面の笑みで二人を脅すv

ナッシュは抱きつかれ慌てる を見つつ渋々答えた。

「・・・・はい・・・」
演技うまいですね・・ササライ様・・舞台とは大違いだぜ・・・・



ササライから視線を外し横にいる を見、溜め息を付いて
そしてそっと彼女に耳打ちをする


「そう言うわけだ・・・悪い・・付き合ってやってくれ・・とほほほ・・すまん・・」
それを聞くとにっこりと は笑って
「OKOK、いざとなったら真の紋章戦争で!!」
握りこぶしを握り締めてるし・・・・

「ははは・・・頼むから城は壊すなよ〜・・・」

真の紋章対決なことになったら・・・こえぇ・・

顔を引きつらせるナッシュ。
ササライ様と対決したらどっちが強いんだか・・・
と言うか其の時俺はどっちの味方をしたらいいんだ!!!
当然・・・ ・・・・だよなぁ〜俺の好きなのは だしな〜・・・・

そう思った瞬間ササライの微笑みと瞳がぶつかった。

・・・ははははは・・・・・
なんとしてでも真の紋章対決だけは・・・・止めて欲しい・・・・。


「大丈夫だって、加減はするからv」
「はははは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「…冗談よ、そんな事に使ったりしないって。 さんに怪我させんのもアレだしね」
「まあ・・そうなんだが・・・」

取りあえず平和に行こうぜ・・・もう俺は覚悟が出来たからさ・・・ははは・・・。

「??????」
に名前を呼ばれたような気がしてササライの腕から離れつつ、
照れてにこり首かしげ彼女を見た。


「キャーーーvv可愛いっ!! さん可愛いわ!!」
女の子らしい仕草に感動する がいて、

「は、はう////!?そ、そんなこと・・ さんも可愛いですvクリス様も
おしゃっていましたですv」
は恥ずかしくなり俯いてしまう。

そうです、クリス様もおしゃっていましたですv
さんは可愛いとvv
私から見ても本当に素敵な方なのですv
憧れてしまいますですvvvv

「あははー、ありがとーvクリス様にも後でお礼しとかなきゃ〜。 さん、
後で一緒にお茶でもしようねv」

「はいですvお茶して下さい〜vv さんvv」

蚊帳の外にされる男性人。

二人の交渉(ナンパ?)が終わるのを見計らい、ササライはわざわざ の肩に
手を回すとディオスに言葉をかける。


「じゃあ、ディオス、料理してくれるかい?…皆、食事方法に希望はあるかな?」

ササライの行動に皆とりあえず何も言わず、皆、野菜をみる。

はまた赤面して所在無さげにしていたようだったが・・・
取りあえず触らぬササライさまに祟りなし、ってことで・・・・・・・


「食事方法ね〜〜〜・・・・・・・・」

どうやったら・・・美味く食べれるって言うんだ!こんな怪しいもの!!
ナッシュは内心頭を抱える・・・・



ディオスもそれは悩んでいて・・・
「煮ますか?焼きますか?」

「…手っ取り早く、半分煮て、半分焼けばいいんじゃないか?…俺はもう帰るぜ、
畑が待ってるからな!」
あっさりと言葉を吐くとバーツは畑へとばばーっとその場から立ち去った。



その後ろ姿を見送り沈黙のナッシュとディオス。

・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。



『逃げやがった!!!』
『・・・に・・・逃げました・・ね・・・・・・』
立ち去るバーツに顔を引きつらせる男二人。



ピッ

ガー

ガー・・・



『ディオス、なるべく早くするんだよ?色々入れて鍋でもいいからね。
を待たせちゃ駄目だろう?』

突然頭に響くササライの声。

はっ・・!!ササライ様のお声が頭に・・!!これは・・電波受信!!
『わ、わかりました!ササライ様と 殿のためでしたら!!』

このディオス幸せで御座います〜〜〜!!!!!

「鍋を作ってまいります!!暫くお待ちくださいませ!!」

バタバタと鍋を用意し・・・・キッチンへと走り出して・・・・・


・・おいおい・・・勘弁してくれ・・・
がくりとナッシュは頭を下げた。














不気味な野菜を切り刻んで〜♪
鍋に入れましょう〜♪
味付けは醤油でいいですよね〜♪
それしかありません〜♪

我愛しのササライ様〜♪
我愛しの 殿〜♪


お鍋〜♪
お鍋〜〜♪















バタバタバタ______


廊下を走ってくる音がする。
其の音とともにディオスが神妙な面持ちで蓋の閉じられた鍋を掲げて入ってきて・・・

皆ごくりと喉を鳴らしディオスがテーブルにそれを置くのを見守った。
数人分のお皿もご丁寧に用意してくれている。
準備が終わるとディオスは真剣な顔のまま。

「ササライ様では・・私はこの辺りで・・」
と扉の方へと足を向け始めたではないか・・・・

『何かあれば電波で・・私は闇に潜んでおりますゆえ・・ 殿とお幸せに・・』

電波でそう残すとゆっくりと部屋から出、扉を閉めて・・・・





今のは・・・自然だったですよね・・・
うん・・自然だった・・・・


逃げ切った〜〜!!!!!!!!!!!!!!!

ディオスは扉に持たれかかりガッツポーズを高らかに決めたとか。







一方そのころお部屋では___


ディオス・・・・・逃げたね・・・まあ・・・いいさ・・・ここまで準備してくれたしね
・・・今日は見逃してあげるよ・・・

ササライは扉を見つめ目を細めて・・・・






げぇ!!!ディオス殿!!逃げやがった!!?
おいおい!それは少しずるいんじゃないいんですかい・・・?
はぁ・・・・

ナッシュは肩を落としササライに視線を向けた。
そうするとその視線を待っていたかのように黒い微笑が彼から返って来て・・・・・

「…まあナッシュ、蓋を開けてみてくれないかい?」

「・・・はぁ・・俺って結局こうなんだな・・・」
を見てポツリと呟き覚悟を決めると蓋に手を伸ばす。

皆の視線が自分に集まって・・・

「あ、あけるぞ・・」

ごくりと鍋の蓋を開けるナッシュ。







ぱかっ_____





















ん?







「・・・あれ・・」

情けない声が自分から発せられた。
それは鍋の中身を見たからで・・・・

中身はごく普通の鍋物で・・良いにおいが漂っていたのだ





なんかイメージと違うなぁ






「わー美味しそうですvvはいvナッシュさんお箸ですv」
にこりと小皿と一緒に箸を渡す が一瞬悪魔に見えたと言うことは内緒で・・・・
だが彼女も箸と皿を自分用に構えていて・・・・


食べるのか!?あんたも!!!!!



「・・・・このパターンは・・・」
箸を受け取りつつ頭に嫌な記憶が蘇る。
そう嫌な記憶だ・・・・

「なぁ・・ ・・どう思う?」
分かってくれるだろうと に問い掛けて、

「…なんか、ナナミの料理を思い出すよね、こういうパターンって…大丈夫?」
やはり同じことを思い出してくれたみたいだ。

「・・・やっぱりか・・・ははは・・食べるしかないだろ?」
ササライ様がガンたれてるし笑顔で・・・・


さんも…平気??」
不安げに が言ってくれて・・・・

「はいvv私大丈夫ですvv私も食べてみますv美味しそうですvv」
満面の笑みで返すと横からササライも心配そうに声を掛けてきてくれた。

、無理だと思ったら、直ぐ止めて構わないよ」

ナッシュで安全確認後に食べて欲しかったんだけど・・・・・・

「いえいえ!大丈夫ですvこんなに美味しそうですし、ねvナッシュさんvv」
にこりと箸で具を挟んで微笑んでいる彼女。

ははは・・・勘弁してくれ・・この子が食べて俺か食べないと・・ササライ様が・・


皿の具を見、 を見つめてしまう

一度嫌な経験をするとどうしても抵抗が・・・・
俺も歳か・・・・・・・;;

「…代わりにたべよっか?ナッシュよりは鍛えられてるはずだけど」
がそう言ってくれるのは嬉しい。
だが男として情けないではないか・・・・・・・。

「いや・・俺が食べる・・」
彼女はササライに視線を向けつつ小声で苦笑して
「…上司の命令に逆らえないって、大変だね」
いっつも苦労してるなぁ・・・・ナッシュってば、


「まぁ命令は・・・ふぅ・・」
溜め息を吐きつつ箸に具を挟める。

・・大丈夫だよなぁ・・・・うん・・きっと大丈夫・・だ・・
俺もう37歳だぜ・・なんでこんなことで悩んでるんだ・・

目の前にいる を見るとにこにこと食べる気満々で・・・



しかたがない・・・覚悟を決めるしかない・・・



そして から言葉が発せられた。

「では〜vナッシュさん頂きましょうですvv」
満面の笑み。

「あぁ・・・」
満面の不安顔。

二人は同時に具を口の中に運んだ。




ぱく・・・・・・・・








ぱあああぁぁぁぁぁぁぁvvvv








口の中に広がる優雅な味が広がって・・・・

そう、まるで野菜たちが踊っているような・・・

ピーマンがタンゴを踊り

ニンジンがサルサを踊っている!!


これは・・・・・


これは・・・・・・・









美味いぞ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!













って、







んんなわけない。
















デンジャラスv














「うげぇ・・・・・・」
「はう・・・・・・・」

その言葉とともにナッシュと は絨毯にひっくり返って・・・・・


「はうぅぅぅ〜〜〜〜〜」
世界が回っています〜〜〜
もう駄目です・・・・・・・・・







う、う、う、うう・・・・

世界が回っているぜ・・・・・・
口の中が痺れて・・・・・・・・・

あんな不味いもの食べたのは今までに・・・・・・・・
あったよなぁ・・・・・・

な〜んてナッシュは考え意識を飛ばした。
遠くで誰かが何かを言っていたようだったが・・・・・・・
もう・・・聞えない・・・・・・

は大丈夫だろうか・・・・・・・

ああ・・また に情けない姿を見られてしまった・・・・はははは・・・




「っ!! !!」
絨毯に倒れた を慌てて抱きかかえササライは自分のベッドに移動させる。

「ナッシュー!!!?ナナミ再来ーーーー!!」
は慌ててナッシュに駆け寄り顔の前に手をちらつかせて彼の反応を確かめるが
応答なしで・・・・・・

「そっちは頼むよ」
にナッシュのことを頼むと彼は を心配げに覗きこむ。
は焦りつつも頷くと医務室へナッシュを引きずって走り出した。

待っててね!ナッシュ〜〜〜!!今、医務室に連れて行ってあげるから!!

の足音が部屋から遠ざかって行って・・・・・


ササライは静かになった部屋の扉を閉めると再びベットに横になった を見つめて
頭を振った。

やっぱり、ナッシュが食べてから食べて欲しかったと・・・・・・・・・・。





さて、貴方はどっちの人とこの後、過ごしたいですか??


ナッシュ?orササライ?




キャラを担当した人
ササライ、バーツ、 =水音

ナッシュ、ディオス、 =篠永
小説手直し=篠永



2002.10.14


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