「まさか、これが仇になるとはな…。」
茂は、物が散乱している中で唯一マトモな本棚の一番上のファイルにしまってあった用紙を見ながら呟いた。
本気でを求めた、その罰なのかとも思えてしまう。
ただ1枚の紙キレが、2人を隔てる大きな壁になった。
この前の啓介の発言…“ウェディングドレスを着たいなら、俺の所へ来ないと駄目だ”という発言が気になり、は啓介を訪ねていた。
啓介を好きとかなんとかではなく、言葉に別の意味が含まれている気がしたから。
珈琲をいれてもらい、一口くちをつけて心を落ち着ける。
「で、どうしたんだい?」
「この前の言葉が気になって…。」
それだけで察しがついたのか、啓介は表情を曇らせた。
迂闊な発言だったと後悔しても今更遅いのだが、悔やまずにいられなかった。
しかし、茂とが関係を続けるのであれば、いつか必ず行き当たる問題でもある。
いつか当たる問題であれば、なるべく早い方がいいのかもしれないと気持ちを切り替え、に向かった。
「ちゃん、シゲさんの事好きかい?」
「え、と…それはまあ…好き、です。」
「肉親のー…いや、育ててもらった恩とかいうのではなく?」
なぜ啓介がそんな事を言うのかさっぱりわからないが、微笑んで彼に答えた。
「ちゃんと男性として好きです。」
どうして、と聞かれれば己の心の内は複雑で上手くは表現できない。
だが、他のどんな人より茂を想っているという自信はあった。
は茂の生き方がとても好きだ。
凄く軽いようでいて、でも己に信念があり、守るべきものは必ず守る。
覚醒していたら、きっと凄い能力者になるだろうと思う。
茂がいなければ、今のは存在しない。
そういう意味でも、大恩があるし――…
それをヌキにしても、彼の傍にいられなくなったら、身を裂かれんばかりだろう。
みじめったらしく泣くに違いない。
「…ちゃんの名字…片山だったよね。」
「はい。」
「―…まあいつか判る事だし…な。」
「?」
一度言葉を切り、啓介が言った。
は知らなかった事実を。
きっと、彼女を苦しめるであろう言葉を。
「……君は…シゲさんと……結婚できないんだ。」
「――名字が…片山だからですか?」
あながち間違いではない質問だ。
どう反応していいのか分らないといった様子の。
だが、今ここで自分が全てを話すべきではないと踏み、啓介はに向かって言葉をかけた。
「―詳しい事は、シゲさん当人に聞いてくれるかい?送るから。」
「…はい。」
今、彼女の中には不安と疑問が渦巻いているだろうと感じながら、啓介は片山家へと車を走らせた。
途中、家に茂がいるか確認して、を送る。
―啓介は彼女を送り届けると、そのまま帰路についた。
茂はの部屋で話をするようにした。
さすがに自分の、あの散乱した部屋では具合が悪かろうという配慮。
上手く話を切り出せないでいる茂に、の方が話し掛ける。
「…私と叔父さんー……結婚できないってホント?」
「――ああ。」
「どうして…?」
泣きそうなを抱きしめ、落ち着かせるように背を撫でてやる。
不安そうな彼女の目が茂を見つめた。
茂は優しく頬にキスをし、そのまま口唇にも口付け、の体を抱きしめなおす。
「…を愛してる…認められない想いでもだ。」
「―うん…。」
恥ずかしくもなんともなかった。
ただ、相手が自分にとって唯一の―…唯1人の存在である事を、今更ながらに実感したから。
茂はを離すと、彼女に向かって微笑んだ。
「知ったからって何かが今すぐ変わるわけじゃないと思うし…俺はどこへも行かないからな。」
「うん、大丈夫。」
よし、と頭を撫でると、茂は本題に入った。
「と一緒に住むことになった時な、俺はお前の親御さんの事とか―…色々調べたんだ。」
「でも、私には…。」
茂が頷いた。
には本当に親しかいなかった。
親戚と呼べる者もいない。
親を失ったことで完全に1人になった。
「、前の名字覚えてるか?」
「当たり前だよ…私の前の名字は、。」
どんなに小さな頃の記憶でも、忘れることはなかった。
…まあ、ブルージェネシスに戻らなければ、一生思い出すことはなかった記憶だけれど。
父親も母親もブルージェネシスの科学庁に勤め、そしてあの事件の日に亡くなった。
今となっては思い出だが。
「の血を持つのはお前1人だけだった。本当なら施設に入れるのが妥当だったんだろうが―…。」
「今こうしてるってことは、叔父さんが引き取ってくれたってコトでしょ?」
だからこそ、片山の姓を名乗っているのだ。
―は気付かない。
その意味に。
姓を名乗る、という意味に。
「…お前を保護する為に、俺はお前を養子にしたんだ。」
「……養子?」
「それが、俺とお前が結婚できない理由だ。養子だからー…俺の子供って事になる。
結婚なんかできるわけないだろう?血の繋がった親と子が結婚するようなもんなんだからな。」
今の今まで、自分が養子だなんて気付きもしなかった。
名が簡単に変えられない事は知っていたし、姓もそうおいそれとは変えられない事も知っている。
だが、片山の姓を名乗り始めたのは、はるか昔の幼い頃。
そんな事までわかるはずもない。
書類の上では、弘樹よりも近い血筋になってしまうのだろうか。
には法の知識がなく、わからない。
「じ、じゃあ…養子をやめればー…に戻れば…。」
茂は首を横に振った。
「養子ってのは、一度それを交わした者とは、たとえ養子関係を破棄しても婚姻の権利が与えられない。」
「……血、繋がってない……のに……?」
無言で頷く。
書類上の繋がりが、そのまま血の繋がりと同じようなことになってしまうとは思っていなかった。
呆然とする。
茂にしても、こんな風になるのなら養子縁組などしなかったろう。
の小さい頃、同情や使命感ですらあった彼女への気持ちは、いつの間にかを恋うる気持ちになった。
抱いてはならない感情だったかもしれない。
の幸せを考えるならば、今からでもその手を離してしまうべきだろう。
――そう、思った。
「今からでも遅くない。俺の事はー……悪夢でも見たと思って忘れろ。」
「――!?」
「他にいい男がいる。」
冗談めかして言うつもりだったのに、意に反し、真面目な……硬質な音が口から出る。
の瞳から、ボロッと涙が零れ落ちた。
胸がぎゅっと締まり、手の平がチリチリと痛む。
その様子を見て茂は心を痛めるが、それでも尚、言葉を続けた。
本当は離したくない。
誰にもやりたくない。
こんな時浮かぶ言葉は、なんて陳腐なのだろうか。
記事を書く人間なのに、と自分を罵る。
「五十嵐とか…色々いるだろう?」
「おじさ……」
「あいつなら、お前の事ちゃんと考えてくれる。」
凄くイヤだった。
茂の口から、他の男性の所へ行けと言われるのが。
はうつむいて、声を殺して泣き続けた。
「――…。」
困ったような茂の声が耳に届く。
…なんとか泣き止むと、茂を見た。
「……私のこと…キライ…?」
「お前のためだ。」
「答えになってない!」
泣くのをこらえ、茂を見つめながら声を荒げる。
茂に対して本気の怒りを見せたのは、初めてだった。
その辺の大人が言うような、お前の為、なんて言葉で片付けて欲しくないと全身で訴えていた。
ここで揺らいでしまったら終わりだということを、は直感でわかっている。
だから引けない。
どうしても。
けれど、茂の方が一枚上手で………。
「―聞き分けのない娘は、キライだ。」
―嘘だ、と思っていても、体や心は正直なもの。
茂に嫌いと言われただけで、は全てから否定された気になった。
ついさっき“愛してる、どこへも行かない”と言ったその彼の口から出た、たった一言がを打ちのめす。
茂にダメージがないわけではなかったが、のそれとは比べ物にならない。
頭の中が真っ白で、言葉が上手く出てこない。
指先が震え、息が上がる。
目の前がぐらぐらして、定まらない。
ああ、これがショックっていうものなんだ、と、どこか遠くでが認識した。
頭がなにかで打たれたよう、とよく言うが、本当の事らしい。
ポツリ、とが呟いた。
「……また私…独りぼっちになっちゃったね…。」
泣きはしなかった。
泣くこともできないでいた。
今までずっと繋がれていた手が、急になくなってしまったかのような、寂しいような、悲しいような気分。
激しすぎる喪失感。
は感情を上手くコントロールできないでいる。
今サーカディアへ行ったら、間違いなくエーテルに還元されるだろうな、なんて思ったりして。
すぅ、と息を吸うと、ゆっくり吐き出して震えを止める。
「…叔父さん、今までありがとね…迷惑かけて、ごめんなさい。」
「…?」
「大丈夫だから。」
すっと立ち上がると、カバンを持ち、“五十嵐さんの所行ってくる”とだけ告げ、出て行ってしまった。
本当にこれでよかったのかと、茂が悩む。
――いいわけないのは判っている、が、20以上も離れている自分のために、のこの先の将来を奪うわけにはいかなかった。
大人として、というより…保護者としての、冷静すぎる判断。
もっと若ければ、なにも考えずに行動できたかもしれないし、気持ちに素直でいられたろう。
だが、と結婚する事はできないし、それに伴って保障もつかないことになる。
結婚できないから、伴侶として与えられる保障が全くつかない。
自分がいきなりこの世からいなくなってしまったりしたら、は世間に放り出されることになる。
そんな予測のできない、危ない橋を彼女に渡らせたくないと思った。
――心に背いても。
暫くして、弘樹と啓介が入ってきた。
茂が首を傾げる。
「おい五十嵐…と一緒じゃないのか?」
「なに言ってるんだい、俺はシゲさんにちゃんと届けたろう?あれからすぐ大学の方に行ってたし…
弘樹君とはその後学校であったから連れて来たんだけど。」
茂の血の気が一気に引いた。
慌てて携帯に電話してみるが、繋がらない。
「オイオイ、シゲさんどうしたんだよ。」
「出かけたの?」
「………。」
出かける前の、の言葉が響く。
今までありがとう、と言っていなかったか?
どういう意味だ?
頭の中に嫌な考えが巡る。
とても、嫌な考えが。
啓介と弘樹に茂が事情を話すと、啓介が余りの内容に茂に掴みかかった。
壁に茂をうちつけ、襟首を掴む。
「っぐ…!」
「ちょ……五十嵐さんそんなにしなくても…!!」
「弘樹くんは黙っててくれ!シゲさんなに考えてる!」
本気で声を荒げる啓介に、弘樹はおろおろするしかなかった。
その啓介に、茂は反発する。
「うるせぇ!あいつの幸せを俺が潰すわけにはいかないんだよ!」
「シゲさん!!!」
掴み合いをしている2人を、なんとかして弘樹が引っぺがす。
まだ掴みかかろうとしている啓介を押し留めると、茂に視線をあわせた。
自分の保護者は、とんでもない勘違いをしている。
大切な者を守ろうとして、その大切な者を傷つけるなんて滑稽なことをするのは、大人だからだろうか。
弘樹には理解できない。
「叔父さん、の幸せってなんだよ。」
「…そりゃあ…結婚するとか…いい職につくとか……――違うな。」
どれも、“の幸せ”には当てはまりそうもない。
なにが彼女にとっての一番の幸せなのか、茂にはわからなかった。
弘樹が溜息をつく。
なんでこんな単純な事に思い当たらないのだろうかと。
「…は、叔父さんといるのが幸せなんだろ。結婚だって、叔父さんとじゃないと意味ないんだよ。
だから、悲しんだんじゃないか、結婚できないんだって知って。」
「…弘樹…。」
「そんな事にも気付けなくなっちゃうのかよ、大人ってのは。」
「…シゲさん、さっきは悪かったよ。…でも、どうするんだい?」
…の幸せがなんであるかを考えずに、“お前の為だ”なんて言って彼女を追い詰めた。
今更気がつく、その事実。
それも、自分の甥っ子に言われて気付いたなんて、情けなくて仕方ない。
「……、どこ行ったんだ…五十嵐の所へ行くって言って出て行ったのに…行く所なんか…。」
ふっ、と、茂の頭に浮かんだのは、ブルージェネシスのの家だった。
―――が、今ブルージェネシスはない。
だが、近場に行ったのではないかと思い、啓介に車で飛ばしてもらってブルージェネシス跡地に近い海岸まで行く事に。
弘樹がイデア内部にいる弘一に聞いてみた所、海岸近辺にいるのは間違いないようだった。
ただ、精神的なショックからか、エーテル放射が掴みにくいようで正確な位置までは確認できない。
とにかく、手分けして探すことにした。
「父さん、母さん……今は、サーカディアにいるのかな、私の事、見ててくれてる?」
足に波を受けながら、浜を裸足で歩いていた。
入水なんかしようという気持ちは全くない。
負に負けてしまうような性格だったら、ブルージェネシスでとっくにエーテル還元されていた事だろう。
全てに対して絶望してしまったら動けないけれど、そうでなければ考え行動できるものだ、人間というヤツは。
けれど、今は何も考えたくなかった。
これからどうするかとか…色々決める事は多々あったけれど。
命あるもの、皆海へ還る。
サーカディアという海へ。
人間の想いも還元されるといいと思う。
「…人は、忘却の生き物だから、いつか、忘れるんだろうね。」
辛い事も、楽しい事も、幸せなことも。
今こうして、悲しんでいる事も、いつかは風化し、消えるのだろう。
たとえそれが、その人の存在の意味であっても。
「父さん母さん幸せかな。―…私はね、幸せだったよ。」
が発したその一言は、過去形だった。
片山に戻らないという心の表れか、無意識か。
「茂叔父さんと弘樹と皆とー……凄くあったかくて、優しくて、幸せだった。」
波の及ばない所に座り込む。
岩陰と上にある木々が、を包んだ。
月の光だけが彼女を照らす。
自分は間違っていたのだろうか。
何度も何度も自問するが、答えは出ない。
「私、間違ってたのかな…いけなかったのかな。ずっと1人でいれば…みんなに迷惑かけなかった?」
膝を抱えてうずくまる。
涙が零れ落ちそうになり、急いで手の甲でぬぐった。
誰もその問いに答えるはずはなかったのだが――。
「お前は間違ってない。…間違ってたのは、俺の方だ。」
「――おっ…叔父さん!?」
いきなり現れた茂に驚き、思わず立ち上がる。
茂は逃げられると思ったか、の腕を掴んだ。
「…悪かった、お前の幸せがなんだかも判らないで、幸せのため、なんて言って…。」
「…平気、大丈夫だから…それより叔父さん、なんでここに…。」
「なんとなく直感でな。…連れ戻しに来たんだ。…戻って来い。」
「……。」
は返事ができなかった。
しばし考え、言葉を返す。
「叔父さんの傍にいたら…叔父さんに迷惑かかるし…。」
「迷惑なんかかからんさ…お前が許してくれるなら、傍にいたい。もう、余計な事は言わん。」
「…でも、だって…。」
困っている風のから、掴んでいた手を離す。
どうしたのかと茂を見ると、視線で射抜かれた。
とても、強い視線。
「叔父さん…。」
「戻って来い…。」
きゅっと抱きしめ、茂はを離さなかった。
海風にさらされたの冷えた体が、茂の体温で温まっていく。
もおずおずと彼の背に手を回す。
「…私…戻ってもいいの…?」
「最初から出て行けなんて言ってないだろうが。」
肩を掴まれ、再度見つめられる。
茂の目に、うっすら涙が窺えた。
不謹慎な事かもしれないけれど、は叔父のその姿を見て笑えてしまった。
とても幸せで。
茂がここにいる事が、凄く嬉しくて。
泣くぐらい心配してくれた事が嬉しくて…くすくす笑ってしまった。
「…なんだよ、失礼なヤツだな。」
「ごめん、だって…叔父さん泣いたの初めて見たし…。」
が指で茂の涙をぬぐった。
きゅっと抱きついて、改めて体温を実感する。
「……おかえり、。」
「…ただいま、茂。」
「なんか今日は色々あったな〜。」
完全にいつもの調子に戻った茂を見て、と弘樹は苦笑いした。
あの後、啓介と弘樹と合流し、車で送ってもらった。
啓介タクシー状態。
部屋に戻ると、弘樹はそのまま自室へ入り、は風呂に入った直後、茂に引っ張られ、有無を言わさず彼の部屋で寝る事になった。
ベッドにちょこんと座り、茂はいつもの通りその横にゴロンとねっころがる。
「…なぁ、。ドレス着たいか?」
「え?」
茂の発言の内容に思わず声を上げてしまうが、“今すぐとかじゃなくて”と付け加えられ、肩の力を抜いて考えてみる。
……そりゃ、ドレスぐらい着たい、というのが本音。
だが、叔父と自分では式は挙げられなかろうというと、彼は少し唸った。
「婚姻が認められないだけで、式はできる。…法的にはなんの意味もないし、本当に形式だけだけどな。」
「…そっか…できるんだ…。」
茂の横にぽふっと倒れると、彼の手をぎゅっと握った。
目をつむり、その暖かさを身に感じる。
茂は苦笑いしながら手を外し、の体を抱きしめた。
互いの心音が心地よく響く。
「…、俺と一緒になってくれないかなー……。」
茂のほうから言われるとは思ってもみなかったので、一瞬反応できなかったのだが…、
普通に取ると、プロポーズではなかろうか、今の言葉は。
「い、一緒って―?」
「ニブチンめ。……俺のヨメさんになれって言ったんだ。嫌だってのは聞かないからな。」
それじゃあ選択の余地がないというか、聞く意味が全くないじゃないかと思いつつも顔がニヤケる。
茂はその様子に気付き、手と手を絡ませて愛撫するように指の股を優しくなぞった。
赤に染まった頬に口付けを落とす。
「も…っ、叔父さんてば!」
「安月給なんだから、指輪安いのでも、ちっと大目に見ろよ?」
「20カラットダイヤ。」
「却下。」
一言だね、と笑いながら茂の胸に顔をうずめる。
「…叔父さん…。」
「ん?」
「迎にきてくれて、ありがとね。」
当たり前だろ、と微笑む茂の目はもはや男性のそれ。
もっと大人っぽく綺麗にならなくちゃなぁと思いつつ、はイデアへと誘われていった。
茂もまた、を抱きながら目を閉じる。
「、なに外みてボーっとしてるんだ?」
茂に声をかけられ、彼の身長の2分の1以下の小さな体で、てほてほと茂の方に歩いてくる。
「んとね、おじちゃんと、ひろきと、ずっと一緒にいられますようにってお父さんとお母さんにお願いしてたの。」
小さな手をいっぱいに広げ、抱っこをおねだりするに茂が応じた。
ひょいっと持ち上げ、頭を撫でてやる。
「そうか、じゃあオジさんのお嫁さんにでもなるか?」
「うんっ。」
笑顔一杯の表情で茂に返事を返す。
「弘樹がヤキモチやくぞー。」
「ひろきも一緒にいるの〜。」
「そうだな。」
――それは、暖かい、遠い過去の記憶。
少女漫画入ってると思うなあ、この話…。
2001/10/8
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