何で居るの



「御剣さん」
「なんだい?」

 なにも不都合はないと言わんばかりに、極々普通に返事をする御剣晃に、は深々とため息をついた。
 周りの生徒は声を潜めて色々と言っているようだが、その大半は『ひそひそ』に失敗して言っている事が聞こえてしまっていたりする。
 まあ、そんな事はどうでもいいが。

「……御剣さん、私の記憶が確かであれば、ここは普通科2年B教室ですよね」
「そうだね」

 認めたよ、この人は。

「……で、何故あなたがここに?」

 学科からして違う――しかも学年もだ――晃がここにいるのは似つかわしくない。
 科学庁の有名人だという事も手伝って周囲はかなりおっかなびっくりしているというのに。
 晃はの言葉にニッコリ微笑み――

「決まっているだろう? 、君がここにいるから僕もいるんだよ」
「……御剣さんって、時たま物凄くバカじゃないかと思わせますね」



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