at first sight



「おはよう、
そう言ってにこやかに笑みを浮かべながら現われる。
毎度の事ながら、どうしてこうも私の行く先々に図ったかのように現われるのか…。
「…おはようございます、御剣さん」
溜息をつきながらも、こうしょっ中来られたのではいい加減諦めに入ってしまうというか何というか。
そんな私の心情を知ってか知らないでか、目の前の人物は言葉を続ける。
「さて、それじゃあ行こうか」
「……何処へですか?」
唐突な提案に、しかしそれもいつもの事で取りあえず行き先を聞いてみる。
「そうだな、何処へ行きたい?」
傍から見ても分かるくらいに機嫌のいい晃。
しかし朝っぱらからいきなりタナトスに誘われたとしては、笑っていられる状況ではなくて。


最近どうにもタナトスの出現率が高くなってるような気がする。
それも、の周囲に限って。
初めの頃はいちいち警戒していた弘樹たちも、段々と慣れてきてしまって。
毎度毎度のいる所に現われるタナトス。
そして決まってタナトスのペースに巻き込まれる
そんな場面が頻繁に目撃されるようになってきている。

――タナトスが現れるのが日常茶飯事になっているという状況も、かなりどうかと思うけれど…。


「あのですね、私これから学校なんですけど……?」
何故か距離を詰めてくる晃に、じりじりと後ずさりながらも答える
しかし晃の方は依然笑みを浮かべたままで、確実に迫ってくる。
「一日位休んだところで大丈夫だろう?」
「大丈夫じゃないです!今試験前だから授業に出ないとテストが〜〜っ」
壁際に追い詰められて後がなくなった状態でも尚抗議の声を上げる。
大体、引っ越してきて一度目のテスト。
それ以前の授業の所がかなり危ういというのに、これ以上授業を抜けたら…どうなる事か。
そんな考えを余所に、晃はするりと腰に手を回してくる。
「分からない所があったら僕が教えてあげるよ。勿論2人きりでね」
「遠慮しますっ!」
反射的に断る
それを面白そうに苦笑しながら眺める晃。
ゆっくりと近づいてくる顔に、敵わないと分かっていても攻撃してやろうかと考えるけれども、いかんせんここは街中。
科学庁の車が止まっているだけでも人目を引いているというのにそんなことをしたら確実に目立ってしまう。
冷や汗を流しながらも必死で食い止めようとするが力の差は歴然で。
「いい加減離して下さいっ!」
反論するも頑として聞き入れてくれそうにもない晃に、半ば脱力感を感じてしまう。
「駄目だね、僕と一緒に行くんだ」
「だから私はこれから学校が……」
「来ないとキスするよ?」
耳元で、息がかかる程の距離で囁かれて思わず硬直する。


(は……?今、何と………??)

止まってしまった思考を何とか動かそうと努力してみるけれど…いまいち御剣さんが何を考えてるのか掴めない。
いや、それ以前に街中でそういった行為に出られると凄く困る。
――というか、恥ずかしい。
ただでさえ視線を集めているというのに、これ以上注目されるのは御免被りたいし。
でも学校は休む訳にも……っ。


頭の中で色々と葛藤しているを面白そうに眺めながら、晃は一層顔を近づけて更に言葉を続ける。
「返事がないってことはしてもいいのかな?」
「そんなことないですっ!勝手に解釈しないで下さい!!」
視界いっぱいに映る晃の顔に、視線を直視できずにぎゅっと目を閉じて慌てて却下する。
せめて顔だけでも離して欲しいのだが……そんなの願いが届く筈もなく。
「じゃあ僕と一緒に行くね?
「わ…分かりましたからっ!早く顔どけて下さい〜〜」
「了解。それじゃあ行こうか」
の了承を得たかと思うと、ぱっと顔を引いて手を取り待たせてあった車へと向かう。
何だか晃の思う通りに事が運んでるような気がして面白くない。
――もう、自分の返す行動が全て分かられているというか。

「からかうのやめて下さい、御剣さん……」
「からかってなんかいないよ、僕はいつでも本気だからね」

手を引かれながら、晃の言動にも結局ついて行く事になった自分にも、もう何も言う言葉が見当たらずには大きく溜息を漏らした。




後日、予想通りに晃に勉強を教えてもらう事になってしまい、何故か成績が上がったとか何とか。


                               



強制的に終了…!!(←汗)

あ〜、エセ晃兄さんで本当に申し訳ないデス〜〜;;
上手い事キャラ掴めてません……、ポイ捨て焼却オール推奨…
ナマゴミの日は月、木曜デス……。
というか、何処らへんが追っかけ晃兄さんなのか不明……
そして長らくお待たせした上にこんなヘボヘボで御免なさい〜〜m(_ _)m

――――――※――――――
梧らいち様のHPのキリバンを無理矢理奪って書かせてしまった一品です。
あああ、らいち様ありがとうございます〜!!
焼却もポイ捨てもしませんわ!もったいない!!
人様のサーカ夢を見れるとは思ってなかったんで…凄く嬉しいです〜♪(小躍り)
ありがとうございました〜!今後とも宜しくお願いいたします(お辞儀)

2001/8/7

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