文化祭



「え、文化祭……ですか?」
 目を丸くする悟飯。
 ビーデルは頷いて一枚の紙を差し出す。
 そこには配役や裏方や――とにかく必要な人材がずらりと書いてあった。
「それでね、悟飯くんを私の相手役にと思って。……ほ、ほら、変な奴と組まされたんじゃたまんないもの」


「……で、なんで蹴っちゃったの?」
 隣にいる悟飯と一緒に作業しながら、が聞いた。
 結局悟飯はビーデルの相手役――つまり主役を蹴って、裏方に回ったのだった。
 彼は少し困ったような顔をした。
 悟飯は今まさに練習の最中である舞台を見る。
 シャプナーとビーデルの2人が台本片手に悪戦苦闘していた。
 タイトルはロミオとジュリエット。
「……ロミオは、ちょっと」
 悟飯の呟きには唸る。
「うーん、いいと思うけどな、悟飯ロミオ」
 の言葉を耳にしながら悟飯は酷く小さな声で呟く。

『相手がさんだったら、やってたけどね』


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