目の前に迫った『ゲーム』に、は落ち着かない気持ちでいた。
 後数時間で終わる今日を抜かせば、3日後には嫌でも結果が出る。
 今の所世界はごく普通通りで、窓を開ければ風が夜の匂いを運んでくる。
 いつもと変わらぬ1日を終えるけれど、それは地球の命運を決める日が、また1日近づいてくるという事だ。

 はふ、と息を吐いて窓を閉め、既にベッドの上にいる悟空の横に滑り込む。
 彼は眠っておらず、何かを考えるみたいに天井を仰いでいる。
 布団は既に彼の体温で温まっていて、を緩やかな眠りに誘おうとしている。
 悟空に背を向けて横になった。
「悟飯、もう寝たかな?」
「どうかな。普段通りなら、もう寝てっだろ」
 悟飯は今日、天界のデンデのところに泊り込んでいた。
 セルゲームまで後3日とちょっと。
 今日明日泊まって、明後日に帰ってくる事になっている。
 今、家には悟空との2人きりだ。
 悟空に背中を向けた状態で瞳を閉じていると、彼はの腰に腕を回し、引き寄せてきゅっと抱きしめた。
 の背中に彼の胸が当たる。
「……、抱きてえ」
 切なげに言われ、力強く抱きしめられる。
 瞳をゆるりと開き、胸の下にある悟空の手に自分の手を重ねる。
「――今すると……なんか、死ぬ前準備みたいじゃない」
「でもオラ、が欲しい。ずっと我慢してたしさあ」
 実際その通りで、単純計算で約1年は情事を行っていない事になる。
 天界にある『精神と時の部屋』で修行をしていたし、その間は常に悟飯と一緒だった。
 さすがに息子の前で行為はできない。
 そうやって1年も身体を重ねていないから――余計に怖い。
「今抱かれたら……止まらなくなりそうなんだもん……」
 1年という長い期間は、確かに修行に集中していて、そんな事を考えもしなかったであるが、こうして夫の熱を感じるとやはり飢えていたのだと実感する。
 望まれれば、いくらでも身体を開いてしまう。
 悟空に求められているという実感は、の身体をじわり、浸した。

 超化したまま抱けば、手荒いことをしてしまいそうで、悟空は通常の状態に戻った。
「あっ……だめ……」
 の小さな小さな抵抗の声を無視し、悟空は彼女の寝巻きの上からやわやわと胸を揉む。
 右肩を下にしたままピクリと動く彼女の身体に小さく笑み、素肌に触れようと寝巻きの前ボタンをひとつ外す。
 その隙間から手を滑り込ませ、柔らかな膨らみを下からだすくい上げるように撫で、先端を指先でくりくり弄った。
 刺激を与えられ、硬くなる乳房の先が愛しくて、何度も指を掠める。
 指の腹で撫で、人差し指と中指で挟み込んで扱き上げた。
 背中側から手を回しているために様子が見えないのが不満で、悟空は一旦手を外し、
「悟空? わ、わ……」
「こっちさ向け」
 肩を掴んで仰向けにさせた。
 左脇からのしかかるように口付け、甘く口唇を吸う。
「ん……ぅ」
 キスをしながら胸ボタンを全部外し、器用に寝巻きの下も脱がせる。
 さしたる抵抗はなかった。
 恥ずかしそうに身を捩るだけで。
 舌を絡めあわせながら、悟空は右胸を手にし、感触を楽しんだ。
 くぐもった声が耳に入り、口唇を離す。
 途端、触れているだけとは思えないような甘い声が彼女の口から零れた。
「あぁ……ん……っ」
「まだ、先っちょそんな触ってねえのにな……」
「だ、って……久しぶりで……身体が……」
 太股を擦り合せている
 悟空も自身が屹立しているのを理解しているが、性急に事を運ぶのは勿体無いと、寝巻きを横に流し、完全に露わになった乳房の周りに舌を這わせた。
 周囲だけを舐めていたが、我慢ができなくなって胸の先端に吸い付く。
「んっ!」
 息を飲み、が悟空の頭に手を置く。
 悟空は頭部や首筋を撫でられながら、彼女の色づいた突起を舌で転がす。
 軽く噛んで舌で激しく愛撫すると、声が我慢できなくなったのか可愛らしい喘ぎが立て続けに零れた。
「だめぇ……ごく……」
「オッパイ気持ちいんだろ? こっちもしてやっから……」
 もう片方を揉み、指で先をこね回しながら胸の頂点を重点的に攻撃する。
 痺れるような快感に、の足がシーツを引っ掻いた。
 ちゅぱちゅぱ先端を吸い、唾液をたっぷりつけてから口を離す。
 の息は完全に上がっていた。
 悟空は位置を変え、足を開かせた彼女の足の間に自身を挟みこみ、覆い被さるようにするとの身体をじっくり舐めるように見やる。
 上下する胸に震える四肢は、悟空の男を容易に興奮させる。
 ぺろり、舌なめずりをした。
「……ふ……やっぱ……おめえの身体、クんなあ……」
 精神と時の部屋で、1年も彼女の中に入らないでいられたのが奇跡とも思えた。
 修行中とはいえ、ベッドで眠っているを何度襲いたくなったか。
 悟飯がいたから実行には移さなかったけれども。
 熱がこもって邪魔になってきたシャツを脱ぐと、とろんとした目で見つめてくるに軽く口付けた。
「ん……ん……ごくぅ……」
「おめえの心も身体もオラのもんだ……」
「そ、だよ……全部……悟空の、なの」
 恥ずかしそうに、でも真っ直ぐに見つめて微笑むに悟空も笑む。
 首筋にキスマークを幾つも付けながら、腰を撫で、太股を撫で――そうして開いた足の真ん中にある、もっとも敏感な部位に手を沿えた。
 感度のよさは相変わらず。
 久々の行為に興奮しているからか、下着はその用途をなさないほど濡れていた。
 キスと、乳房を甚振っただけなのに。
、お漏らししたらだめだろ?」
「しっ……してないもん!」
「でもさー、すっげぇ濡れてんじゃねえか……ほら」
 下着を押し付けるように、上からごしごし擦るとの腰が跳ねた。
 いやいやをして、シーツをきゅっと握る。
「ちが……だって……」
「オラの事考えてビチョビチョにしてんだよな。やらしいなー
「〜〜意地悪ぅ……」
 へにゃ、と眉尻を下げるのこめかみに、ちゅ、と軽くキスを落とし、下着を取り払った。
 指をするりと差し入れると、愛液が流れ出てくる。
 悟空の指を、暖かな壁が包み込んだ。
「あふぅっ……んぁ……」
 指を嬉しそうに内壁が締めてくる。
 ゆるゆると出し入れすると、意識せずの腰が揺らめいた。
 妖艶な動きを見つめ、悟空は口の端を上げると――するりと指を抜いてしまう。
「や、なん、で……」
「まだダメ。オラ、ココ舐めてえんだもーん」
「ここって……ひゃぁっ!」
 がばっと股間に顔を埋めると、たまらないとばかりに陰核を猛追しだす。
「ぁああっ! あっあっ!! そこ、そんな……ひぅ……くひゃぁんっ!」
 シーツを握って必死に下半身からの快楽に耐える
 悟空は舌で肉芽を愛撫する。
 舌先でピタピタ叩き、赴くままにこねくりまわし、甘噛みしては吸う。
 愛しい女の身体。
 情事に飢えていた悟空に、もっと柔らかな愛撫を――というのは酷な話で。
 の方も、与えられるそれらを全て享受していく。
 愛蜜がとろとろと流れてシーツを汚すが、そんなもの今はどちらも気にしちゃいない。
 の味を堪能しながら、悟空は舌で肉芽の皮を剥き、敏感な芯の部分をぺちゅぺちゅ舐めた。
 一気にの身体が硬直する。
 強烈な刺激を受け流す事ができず、息を飲んだ。
「はぁうっ……む、いちゃ……あっく……」
 けれど一旦顔を上げて彼女を見てみれば、堪えきれない快楽の表情。
「剥いちまえ〜」
 楽しげに笑み、今度は指で薄皮を押しのけ、つんつん突付く。
 その度にの身体が跳ねる。
「ひっ、あっ、だめっ……あんっ」
可愛いなー。結婚した頃から、ぜんっぜん変わってねえ」
「それ、は……悟空、だって……あんっ……そう、でしょ……!」
「そっかあ?」
 言いながら――わざわざ部位を確認しつつ舐め始めた。
 ねっとりと絡む悟空の舌。
 ひくひく腰を動かしながら、股間を攻める悟空の頭を、はいささか乱暴に撫でた。
 走る快楽が強すぎて、優しく撫でるなんて芸当はできない。
「んちゅぅ……はぁっ…………」
 集中して弱い部位を攻められ、は悲鳴にも似た声を上げる。
 絶え間なく続けられる陰核への愛撫に、我慢しきれない。
「だめっ……あっ、悟空っ……」
「ちゅぅ……イく?」
「も、離して……イっちゃうからぁっ……」
 だからといって離す男はいない。
 果てさせようと肉芽をぐちゃぐちゃに舌でこね回しながら、愛液を湛えている秘裂に指をさし入れ――中でくん、と指を曲げた。
 途端、の身体が弓なりに仰け反った。
 内部を締め、仰け反らせた身体をヒクヒクと震わせ――ベッドに沈み込む。
 指を引き出し、肉芽から舌を離し、悟空はの顔を見やる。
 軽く果てた余韻で上気した頬をそっと撫でた。
、気持ちえかったか」
「ん……」
 こくりと頷いたのを確認し、悟空は視線をヒクついている女陰に向けた。
 肉芽は自身の唾液でテラついており、シーツは男を受け入れる部位からの愛液で濡れている。
 指を差し入れた折に絡みついた愛液を、さも愛しそうに舐め、悟空はにっこり笑んだ。
 かぁっとの顔が赤くなる。
「そんなのっ……舐めちゃ……」
「うめえよ、の汁」
「――っ! エッチ!!」
 は足を閉じようとしたが、悟空が間にいるために閉じられなかった。
 悟空は小さく笑んで彼女に深く口付けつつ、穿いていた短パンを脱ぐとベッドの横に放った。
 足を抱え、既に痛いほどに立ち上がっている男根を、の股間に擦り付ける。
「あんっ、あぁんっ!」
 巣蜜に挿れるでもなく、ただ肉棒を擦り付ける。
 秘裂から溢れる愛液を纏わりつかせた熱い塊で、肉芽と秘裂を激しく擦る。
 下半身から上がってくる快感に、悟空は熱い吐息を零す。
「はぁっ…………」
「ぁあんっ、あんっ、はぁっ……擦っちゃ……」
 股間に挟み込まれたような状態で、悟空は自身を高めていく。
 しこった肉芽が引っかかりになり刺激を加える。
「んくっ……コリコリしてんな……ぅ……」
「そんな、こと……っぁんっ」
 目の前でふるふる震える乳房の先端を指で摘み、引っ張りながら悟空は腰の動きを早める。
 乳房への愛撫で、秘裂がくぱくぱ口を開く。
 ゆるゆると吸い付くの秘裂の上を滑らせながら、悟空は絶頂が近いと感じ、激しく擦り出した。
「やっ、アソコが、熱いぃ……あぁんっ、悟空……っ」
「……っ……出る……!」
 殆ど我慢をしなかった悟空は、早い時間で肉棒から精子を飛ばした。
 びゅっと飛んだ白いそれは、の胸にかかり、トロトロとシーツの方へ向かって流れていく。
「っはぁ……っ……」
 息を吐き、悟空は擦っていた部分――下半身を目に留める。
 ――もしかしたら、これが最後になるのかも知れない。
 突如として現れたその不吉な考えに、悟空は眉を潜めた。
「……悟空?」
 の不安そうな声。
 どうかしたのかと言外に問う彼女に、小さく息を吐く。
「なんでもねえ、けど……」
「私には言えない?」
 乳房を流れる自身の精液を見やる。
 身体の上を流れる精液をそのままにしているの姿に興奮を呼び起こされ、すぐに男根が硬度を取り戻す。
 肉棒を手にし、巣蜜へとゆっくり差し入れた。
「はぁ、ん……」
「セルとの戦いで死んじまったら……おめえを抱けねえなって……」
 足を抱え上げた状態のままする会話ではないが、悟空は気にせずにいた。
 相変わらず締め付けの強い彼女の内部を、亀頭で割り開きながらぐずぐず進む。
 一気に押し込む事が、ひどく勿体無い気がして。
 が悟空の背中に手を回す。
 精液が、悟空との胸に挟まって小さく湿った音を立てる。
「……悟空……死んじゃうかもなんて……そんなの、考えないでよ……」
 切ないの声。
 内部はひどく熱く、快楽に揺れているはずの瞳は、悟空のひと言で涙に濡れそうになっていた。
 を抱きしめ、あやす代わりに腰を蠢かせ、彼女の内部を優しく擦る。
「ぁん……悟空が、好きなの……。いない、なんて……考えられない……っ」
「オラだって……おめえがいないなんて、考えらんねえ」
 ずぶ、ずぶ。
 緩やかに出し入れする。
 彼女の内部は悟空の男根を抱きしめ、逃がしたくないとばかりに締め上げる。
 セルと闘い、もし悟飯が負けたら――その時は自分もも生きてはいまい。
 全力で抗った所で、今の自分には敵わないのだと、悟空は理解している。
 自分の命が消えてしまうことよりなにより、を失うのが怖い。
 緩やかだった勢いを、少しずつ早めていく。
 亀頭で奥を突き、を喘がせる。
「あひぃッ……ひあっ! あっ、奥、すご……」
「くはぁっ…………なにが、あっても……護る、から……っ」
「んぁ……悟空ぅ……私も、あなたを……」
 護るから。
 そう呟きながら、内部への攻めに、は足先でシーツを引っ掻く。
 肉棒を突き上げ、悟空は激しく腰を振った。
 大きく回し、中をかき混ぜる。
 溢れる愛液が卑猥な音を立て、更なる興奮を掻き立てた。
「やぁっ、あんっ、ああぁんっ、そんなに突いたら……アッ、だめ、だよぅ……」
「んく……だめじゃ……ねえだろ……?」
 力なく外れてしまったの片手に指を絡め、悟空は荒々しく肉棒を突きたてる。
 身体がぶつかり合う音を立てながら、男根はの女性器を出入りし続ける。
 内部のヒダに擦られ、締め上げられ、たまらなく射精感をもよおすが、まだ足りないと更に追い詰める。
 全てを手に入れているのに、それでもまだ欲しい。
 乱れる様子も、吐息も、全てが欲しい。
 愛しすぎて狂いそうなほどに。
「ぁあっ、ひぃんっ、ひぁ……悟空……イっちゃうぅ……気持ちよくて……あはぁんっ!」
「っくぅ……オラも……出るっ」
 ぎゅっと手を握り、胸をほとんど押し付けた状態で何度も何度も最深を突き上げた。
 余りの衝撃にの身体が浮く。
 足を目いっぱい開き、恥ずかしげもなく身を晒して腰を動かす
 貧欲に肉棒に喰らいつく秘裂が――激しく悟空を締め上げた。
「ああぁぁーーーーっ!!」
 が仰け反り、ビクビク腰を震わせる。
 その瞬間、悟空も弾けた。
「っうあ……っ!!」
 男根から白濁色の液体が放出され、の内部を浸す。
 ぶるぶると腰を震わせて全てを注ぎ込み、幾度か内部にこすり付けてからずるりと肉棒を引きずり出した。
 愛液と精液が絡み、粘着質な光を放つ自身の肉棒を見やって熱い息を吐く。
 いまだ腰を小さく震わせているを抱き、舌を絡めて口付けた。
 も悟空の舌を吸う。
「……ん……はぁ……」
……オラ、護っから。死んじまったらおめえが悲しむから、頑張る」
「うん……私も頑張るね……」
 微笑みあい、もう一度深く口付ける。
 細い銀糸が互いを繋ぐほどに熱烈にキスを交わした。


「ところでさあ、悟飯、明日も帰ってこねえんだよな?」
「ええと、その予定らしいけど」
 汗でぐちょぐちょになった寝巻きを着替えないと――その前にお風呂か――と考えながら答えるに、悟空がにっこり笑う。
「じゃあさ、どこでなにしてもいいよな?」
「……どこで、なにしてもって」
 だからーと笑みながら、悟空はの汗で汚れた上の寝巻きを脱がせてぽーんと放る。
「ベッドだけじゃなくってさー、リビングとかー、外とか」
「ええ!? ちょ、なに言って……」
「とりあえず、もっかいはベッドでいっかな。……うん、オラ頑張らねえと」
「し、修行した方がっ!」
 焦るに、けれど悟空は超化してもいないのに、イジワルそうに口端を上げる。
「エッチって結構体力使うから、これが修行の代わりだっ!」
「ちがーーうっ!!」

 ……結局、何度もされてしまいましたとさ。



2008・10・31